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2006年03月13日
「論理」だけでは世界が破滅する?
国家の品格
藤原 正彦
新潮社 2005-11
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今話題になっている和書、「国家の品格」を読んでみた。
一応経済学を学び資本主義の日本に身をおいている自分にとっては、この本の筆者のような視点から物事を考えたことがなかったので新鮮に感じた。
自由、平等、民主主義を疑い、論理だけでは世界が破滅すると言い切って、その根拠を例を用いながら鮮やかに説いてみせるストーリー展開は鮮やか。
まぁ、すべて筆者の言うとおりだと賞賛するのもどうかとは思ったが、日々論理を組み立てるのが仕事のような人たちには、特に読んでみてもらいたい本だと思った。
お金がなく死にそうでついお店から食べ物を万引きしてしまった人を目撃したとき、貴方はどう考えるか。法治国家に身をおいているのだから捕まえるべきと考えるか、それとも死にそうだし今回は見逃したほうがいいと考えるか。
どちらの考え方に基づいた行動をとったとしても、考え方が間違っていると証明できない限り、どちらも正しいとは言い切れない。数字の「1」は「1」であって絶対に「1」以外ではないとはっきりできるが、世の中の物事は絶対に○、絶対に×とはいえない。最初の人々の思考段階における考え方次第で○にも×にもなってしまう。だから今の世の中の正しいと思われていることは、その根底を作った人の考え方から見れば正しいけれど、違う考え方を持った人から見れば正しくないかもしれない。
わかっていることだけど、文字で書いたり読んだりすると結構新鮮。
wrote by 悠々自適 (2006年03月13日 21:53)
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